関係者 様

ご挨拶が遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
今年も積極的に様々な分野について発信していきたいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
では、2007年最初の『山崎通信』をお届けいたします。

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____山__崎__通__信____________2007.1.24_第37号
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┃De ja vu (デ・ジャ・ヴ) 1997
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 10年前も、新年は、明るい雰囲気に包まれていました。

 前の年には、金融ビッグバン、という政策が発表されました。
 フリー・フェア・グローバル。日本経済も、ついに復活するはずでした。
 アメリカをはじめ、世界の株も上昇していました。
 日経平均は、5月には2万円台を回復しました。日本も、欧米と同じように、
 不動産バブルの処理を終えて、次の成長ステージへと向かうはずでした。

 景気がしっかりしているんだから、次は財政再建に取り組もう、消費税を
 3%から5%に引き上げても、日本経済は耐えられる、こんな判断に、
 総理大臣も傾きました。

 ところが、その年末には、日本経済は、いままで見たこともない黒い雲の
 中に入っていました。アジアン・タイガーと呼ばれていた諸国が、突然、
 金融危機に見舞われ、世界の株式市場が暴落しました。そして、日本で、
 つぶれないはずの大手金融機関の破たんが、三つも続いたのです。

 日本株は暴落し、景気は急下降を始めました。消費税を上げるはずの政権は、
 選挙に負けて退陣しました。そこから、日本は長いトンネルに入りました。
 抜けることができたのは、新しい世紀に入ってからでした。その間に、
 世界の経済は、はるかに遠くまで行ってしまいました。日本の金融機関は、
 世界で復活するどころか、次々と外国に買収されていきました。

 あの年の初めも、不良債権問題という巨大爆弾はあったのです。
 その前には、住専問題という、兆候もあったのです。
 みんなで、大したことはない、もう大丈夫、オレが社長の間は…、と無視
 していました。

 2007年も、新年は、明るい未来が開けています。世界の経済も株も、上昇を
 続けています。アジアの成長は、止まりません。日本経済は、ついに成長
 軌道に乗りました。日経平均も、今年中には23,000円になる、という有名な
 専門家の意見も出ました。この調子で行けば、財政再建にもようやく手が
 つけられそうです。失われた15年をとりもどし、美しい国を作るスタートの
 年になりそうです。

 いい年で、終わりそうですか?

 いま、新しい巨大爆弾があることを、みんな、知っています。
 美しい国の、津々浦々の市町村、道府県。その多くが、実質的に破たんして、
 回復の見込みがありません。その兆候は、北の夕張で、あらわれました。

 夕張市は、国や銀行への借金が返せなくなりました。お年寄りへのサービスを
 削り、7つの小学校を1つにするそうです。
 動ける住民は、出て行け、ということです。

 全国でこんなことが起きれば、憲法で決めた義務教育や、最低限度の
 文化的生活を受けられない国民がいっぱい出ることが、わかっています。
 放っておくと、法人税収が増え続け、住民サービスができる東京首都圏に、
 地方から引っ越さざるをえないことも、わかっています。

 東京は、生活コストが高いことも、わかっています。
 東京は、通勤時間が一番長いことも、わかっています。
 東京は、子供の出生率が日本で一番低いことも、わかっています。
 フランスで出生率が上がったのは、子供と一緒の時間が長いからという
 ことも、わかっています。
 国が、自治体の借金を肩代わりしない限り、自治体の連鎖倒産が起きる
 ことも、わかっています。
 すると、地方の金融機関や会社もつぶれることも、わかっています。
 自治体が、これ以上ムダづかいしないための、本格的な再生の仕組みが
 必要なことも、わかっています。
 自治体再生のリーダーが必要なことも、わかっています。

 雲は、10年前よりも暗いかもしれません。でも、レーダーには映っているの
 です。わかっていることを解決するしかないでしょう。

 「歴史は繰り返す。最初は悲劇として、次は喜劇として。」
 そんなことには、なりませんように。
 「智者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ。」といいます。
 10年前の歴史に学び、日本が、地方に住めない国になる経験をしません
 ように。

  
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● 次号は2007年2月下旬にお届けいたします。どうぞお楽しみに!

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