山崎 Voice Now
【第7話】公共事業と政治家 2004年05月31日更新

政府の道路公団民営化のスキームでは借金が減らないことや、これまでの道路の権力とおいう癒着の温床を残すことなどから、民営化が無意味なことは明らかだ。それなのに、なぜ、高速道路の料金を無料化せず、間違いだらけの道路公団民営化を政府・与党は進めようとするのか。
答えは明白である。道路公団民営化には、政治的な思惑が強く働いているからである。

道路予算は約12兆円。政治家は、公共事業を自分の地元の建設業者に優先的に回す代わり、3~5%のキックバックを得ているという。3600億円から6000億円にも上る恐ろしい金額が特定の政治家の懐に流れ込んでいるのだ。高速料金が無料となってしまうと、キックバックのための財源がどんどんなくなってしまうため、利権政治家にとっては許されないことなのである。

しかし、ここで頭を切り替えて欲しい。道路予算の奪い合いとは、限られたパイの奪い合いでしかない。道路を作るよりも、高速料金を無料化することで町を作ったほうが、経済効果ははるかに大きいのである。
高速道路が無料となり、コスト負担が小さくなれば、農林水産業を始め流通、運輸、観光など全ての産業にプラスとなる。選挙の直接的な利害を考えなければ、無料化の方が経済効果が大きいのだ。
道路予算や特定の業者にしがみつく政治モデルを、そろそろ変えてみてはどうだろうか。

癒着することなく幅広い業者から支持を得る政治モデルへの構造改革の一歩を、そろそろ踏み出してもいいのではないだろうか。道路予算栄えて、国滅ぶ……。自分で自分の首を絞めていることに、いったい、いつ気がつくのだろうか。

バックナンバー
【最終話】知事の時代が来る
【第22話】審判とプレイヤーは別に
【第21話】公団廃止、職員はどうなるの?
【第20話】広がる交通手段
【第19話】無料化が生活大国を作る
【第18話】無料化は農林水産業復活の切り札
【第17話】無料化の経済効果
【第16話】年金・簡保への影響なし
【第15話】今がチャンス、国の肩代わり
【第14話】連結決算で財政再建も
【第13話】どうやって高速道路を無料にするの?
【第12話】アクアラインが無料になれば‥
【第11話】法律を無視して作ったプール制の弊害
【第10話】一時的措置のはずの有料制
【第9話】米英独は高速無料で公団もないって知ってますか?
【第8話】料金と税金の二重取り
【第7話】公共事業と政治家
【第6話】経営多角化という独占
【第5話】民営化のからくり(4) 詐欺まがいの上場
【第4話】民営化のからくり(3) 公団の粉飾決算
【第3話】民営化のからくり(2)‐II 借金の怖さ
【第2話】民営化のからくり(2)-I 吸収できない40兆円の借金
【第1話】民営化のからくり(1) 借金の飛ばし