山﨑 養世の『田園からの産業革命』
「田園からの産業革命」とは?
いまこそ農業の自立を 1234
近年急増した製造業の中国など海外への進出は、大企業の収益を向上させる一方で、日本の国際収支の構造をも変化させました。日本の貿易黒字約10兆円に対して、農林水産物の貿易赤字が約7兆円、観光収支の赤字は実に約3兆円にも上ります。つまり、ものづくりで稼いだ外貨を食料と海外旅行に使っているというかたちが、今の日本の構図なのです。

製造業の海外進出は、今後ますます加速すると見られており、貿易黒字は縮小する一方、円安による輸入コストの増大を受けて、輸入依存にある日本の食料は重大な危機を迎えるでしょう。

さらに、BSE(牛海綿状脳症)や鳥インフルエンザ、国内基準をはるかに超える残留農薬が付着した野菜など、輸入食料の安全性に対する不安は高まる一方です。輸入依存の限界と安全性の問題により、日本は食の危機にさらされています。いまこそ農業が自立し元気になり、食の輸入依存体制を改善することが最重要の時代なのです。

残念ながら、現在の日本の農業に国際的な競争力があるとは言えません。しかしそれは農業自体に原因があるのではなく、日本の農業政策に根ざす問題です。農業保護を謳いながら衰退を招いた農業政策こそが抜本的に見直されるべきなのです。日本には変化に富んだ自然環境を生かして、誇るべき農耕文化を築いてきた歴史があります。農業が成長性のある産業に生まれ変わることは十分に可能なはずです。
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発表論文
新聞や雑誌に掲載された、山崎養世の農業論についての論文の一部をご覧になれます。より深く農業論を理解したい、という方は是非ご一読ください。論文によっては、ご覧いただくためにPDFファイルのダウンロードが必要なものもございます。

農業協同組合(JA)経営実務2008年9月号『日本が強い農業国家に変わるには』(PDFファイル 255KB)
時事トップコンフィデンシャル 2006年7月4日号 『田園からの産業革命 農業ビジネスの将来性』(PDFファイル 480KB)
We Believe 04月7月号 「特集 21世紀のスロー産業革命~農・林・漁業が日本を拓く~」(PDFファイル 1.06MB)
農業経営者 04年7月号 「私の政策提言」~情報を共有化すれば農業にも企業家が続々と現れる~ (PDFファイル 167KB)
西日本新聞 04年3月9日 「潮流」~サービス分野の革新で活路を~食料大国から変身のとき (PDFファイル 225KB)

週刊エコノミスト 04年3月23日号 『農業は高収益産業だ!~改革すれば日本の農業は先端産業になれる~』 (PDFファイル 172KB)
中央公論 04年3月号 『「平成の農地改革」で田園からの産業革命を』 (PDFファイル 616KB)
図解資料 『田園からの産業革命』(PDFファイル 144KB)