快走論 Q&A
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 質問する
11 12 13 14 15 16 17
高速道路がタダになると、なぜ景気が良くなるのでしょうか。なんとなくそんな気もするけど、きちんと教えてください。
山崎養世からの回答
■人びとの行動範囲が広がり、ライフスタイルが変わります。地域がガラッと一新されるでしょう。

わたしの日本列島快走論の最終目的は、「地方が潤い、人びとが豊かになること」です。無料化して出入口をいまの4~5倍の「3kmにひとつ」にすれば、高速道路は人びとの生活道路に変身します。 また、SA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)は民間に開放し、あらゆるビジネスを試す絶好の場所になりますから、出入口・SA・PAは、
“21世紀の駅前”に生まれ変わります。みなさんの町の鉄道の駅を思い出してください。規模や繁華街の様子はいろいろあるでしょうが、少なくともいまの高速道路の出入口の周りよりは人びとの息遣いが感じられるはずです。
いまの生活道路並みに高速道路が使えるということは、人びとの行動範囲が格段に広がることを意味します。通勤が便利になることから、いまよりも職場に遠い場所に住む人も出てくるでしょうし、若い人のUターンやIターンも活発になります。まとめていえば、「地方に仕事が増えて、人が増え、地方の暮らしが便利になる」ということです。

■サラリーマンの地方移住という新たなトレンドが生まれる。

3kmごとに生まれる出入口の周りが新しい町の顔です。ここに、様々な商店やサービス業の施設が集まり、それを取り囲むように学校や病院、企業の支店や研究所ができるかもしれません。
大都市圏から地方へ移住して農業法人やベンチャー企業を立ち上げる人が増えてきていますが、こうしたトレンドも一気に加速することでしょう。都会の外れに住み、通勤地獄を味わっているサラリーマンが徐々に地方に移ってゆけば、大都市圏へのヒト・モノ・カネ・情報の集中も緩和されるはずです。いままでは掛け声倒れに終わっていた「地方分散」が、高速道路の無料化をきっかけに、やっと実現するのです。
11