快走論 Q&A
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他の公共交通機関とはどのように共存していけばよいのでしょうか。
山崎養世からの回答
■ 役割分担がポイントだと考えます。

最終的な理想型としては、遠距離は飛行機や新幹線、中距離は自動車、近距離は鉄道を使うという役割分担ができればよいと考えています。
今の日本の現状を考えると、鉄道は大都市に集中しており、地方での鉄道網の整備は十分ではないため、地方住民の足はなんと言っても車です。地方の約7割では、車しか移動手段がありませんから、高すぎて使われない高速道路料金を無料にして高速道路を生活道路とすることが必要です。そうすれば地方が活気を取り戻し、移り住む人が増えるので、鉄道も整備されることとなるでしょう。その際、鉄道会社がバス会社ともタイアップして、定期券を共通とするといった工夫をし、パークアンドライド(都心部郊外の最寄り駅まで、自宅から自動車を使い、駅に近接した駐車場に駐車し、公共交通機関に乗り換えて目的地まで行くシステム)を進めるのが、環境悪化を招かない方法として有効だと考えます。高速道路の出入り口にバスターミナルを作り、通勤や通学を目的としたバス事業を始めるというのも取りうる選択肢のひとつです。エコバス使用を原則とすれば環境対策にも一役買うことになります。
また、トラックと鉄道を組み合わせた貨物輸送方式(モーダルシフト)を推し進めていくことも重要です。


■ 新幹線と高速道路は別物です。

高速道路と新幹線との関係を質問されることが多いのですが、両者の共通点は「高速」だという点だけで、高速道路料金を無料にすることと、新たな新幹線の整備は別物だと考えています。
新幹線は、それが新たに開通することで、より短い時間で遠くまで行くことが可能となります。しかし、沿線地域は単なる通過点となってしまい、かえって廃れてしまうなどの逆効果もありますし、在来線の廃止や第三セクターへの移行を余儀なくされ、住民へのメリットが限られてしまうという問題もあるかと思います。高速道路を無料にすることで得られるスピードアップ効果は、新幹線ほどではありませんが、高速道路の出入り口を増やせばその出入り口にヒト・モノ・カネが集まり新しいまちが生まれ、交通インフラ以上のものを備えることになります。このようにスピード重視なら新幹線を使い、道中を楽しむのであれば出入り口が多くて、遠近両用の高速道路を利用するといった使い分けが可能になると思います。
さらに、自動車利用者だけでなく、人々の「歩く権利」や「自転車で移動する権利」も尊重すべきだと考えています。端的に言えばドイツのようなまちづくりが理想的です。つまり、ドイツでは旧い市街地の中には車が入れないようになっており、車道に沿って自転車道、歩道が整備されています。日本においても、このようなそれぞれが気持ちよく生活できるような計画的なまちづくりが望まれると思います。
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